🔙 下の句一覧 ⏬
あかつきばかり
うきものはなし
有明の つれなく見えし 別れより (壬生忠岑)
あしのまろやに
あきかぜぞふく
夕されば 門田の稲葉 おとづれて (大納言経信)
あまのこぶねの
つなでかなしも
世の中は 常にもがもな 渚漕ぐ (鎌倉右大臣)
あまりてなどか
ひとのこいしき
浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど (参議等)
あらわれわたる
せぜのあじろぎ
朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに (権中納言定頼)
ありあけのつきを
まちいでつるかな
今来むと 言ひしばかりに 長月の (素性法師)
あわでこのよを
すぐしてよとや
難波潟 みじかき芦の ふしの間も (伊勢)
あわれことしの
あきもいぬめり
契りおきし させもが露を 命にて (藤原基俊)
いかにひさしき
ものとかはしる
歎きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は (右大将道綱母)
いくよねざめぬ
すまのせきもり
淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に (源兼昌)
いずくもおなじ
あきのゆうぐれ
寂しさに 宿を立ち出でて 眺むれば (良暹法師)
いつみきとてか
こいしかるらん
みかの原 わきて流るる 泉川 (中納言兼輔)
いでそよひとを
わすれやはする
有馬山 猪名の笹原 風吹けば (大弐三位)
いまひとたびの
おうこともがな
あらざらむ この世の外の 思ひ出に (和泉式部)
いまひとたびの
みゆきまたなむ
小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば (貞信公)
うきにたえぬは
なみだなりけり
思ひわび さても命は あるものを (道因法師)
うしとみしよぞ
いまはこいしき
永らへば またこの頃や しのばれむ (藤原清輔朝臣)
おきまどわせる
しらぎくのはな
心あてに 折らばや折らむ 初霜の (凡河内躬恒)
かいなくたたん
なこそをしけれ
春の夜の 夢ばかりなる 手枕に (周防内侍)
かけじやそでの
ぬれもこそすれ
音に聞く 高師の浜の あだ波は (祐子内親王家紀伊)
かこちがおなる
わがなみだかな
嘆けとて 月やはものを 思はする (西行法師)
かたぶくまでの
つきをみしかな
やすらはで 寝なましものを さ夜ふけて (赤染衛門)
からくれないに
みずくくるとは
千早ぶる 神代もきかず 龍田川 (在原業平朝臣)
きょうここのえに
においぬるかな
いにしへの 奈良の都の 八重桜 (伊勢大輔)
きょうをかぎりの
いのちともがな
忘れじの 行く末までは 難ければ (儀同三司母)
きりたちのぼる
あきのゆうぐれ
村雨の 露もまだひぬ 槇の葉に (寂蓮法師)
くだけてものを
おもうころかな
風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ (源重之)
くもいにまごう
おきつしらなみ
わたの原 漕ぎ出でて見れば 久かたの (法性寺入道前関白太政大臣)
くもがくれにし
よわのつきかな
めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に (紫式部)
くものいづこに
つきやどるらむ
夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを (清原深養父)
こいしかるべき
よわのつきかな
心にも あらでうき世に ながらへば (三条院)
こいにくちなん
なこそをしけれ
恨みわび ほさぬ袖だに あるものを (相模)
こえきくときぞ
あきはかなしき
奥山に 紅葉踏みわけ鳴く鹿の (猿丸太夫)
こひぞつもりて
ふちとなりぬる
筑波嶺の 峰より落つる 男女川 (陽成院)
ころもかたしき
ひとりかもねん
きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに (後京極摂政前太政大臣)
ころもほすちょう
あまのかぐやま
春過すぎて 夏来にけらし 白妙の (持統天皇)
さしもしらじな
もゆるおもいを
かくとだに えやは伊吹の さしも草 (藤原実方朝臣)
しづこころなく
はなのちるらん
ひさかたの 光のどけき 春の日に (紀友則)
しのぶることの
よわりもぞする
玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば (式子内親王)
しるもしらぬも
おうさかのせき
これやこの 行くも帰るも 別れては (蝉丸)
しろきをみれば
よぞふけにける
かささぎの 渡せる橋に おく霜の (中納言家持)
すえのまつやま
なみこさじとは
契りきな かたみに袖をしぼりつつ (清原元輔)
ただありあけの
つきぞのこれる
ほととぎす 鳴きつる方を 眺むれば (後徳大寺左大臣)
たつたのかわの
にしきなりけり
嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は (能因法師)
つらぬきとめぬ
たまぞちりける
白露に 風の吹きしく 秋の野は (文屋朝康)
とやまのかすみ
たたずもあらなん
高砂の 尾の上の桜 咲きにけり (権中納言匡房)
なおあまりある
むかしなりけり
百敷や 古き軒端の しのぶにも (順徳院)
なおうらめしき
あさぼらけかな
明けぬれば 暮るるものとは 知りながら (藤原道信朝臣)
ながくもがなと
おもいけるかな
君がため 惜しからざりし 命さへ (藤原義孝)
ながながしよを
ひとりかもねむ
あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の (柿本人麻呂)
ながれもあえぬ
もみじなりけり
山川に 風のかけたる しがらみは (春道列樹)
なこそながれて
なおきこえけれ
滝の音は 絶えて久しく なりぬれど (大納言公任)
ぬれにぞぬれし
いろはかわらず
見せばやな 雄島の蜑の 袖だにも (殷富門院大輔)
ねやのひまさえ
つれなかりけり
夜もすがら もの思ふ頃は 明けやらで (俊恵法師)
はげしかれとは
いのらぬものを
うかりける 人を初瀬の 山おろしよ (源俊頼朝臣)
はなぞむかしの
かににおいける
人はいさ 心も知らず ふるさとは (紀貫之)
はなよりほかに
しるひともなし
もろともに あはれと思へ 山桜 (前大僧正行尊)
ひとこそしらね
かわくまもなし
わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の (二条院讃岐)
ひとこそみえね
あきはきにけり
八重葎 しげれる宿の さびしきに (恵慶法師)
ひとしれずこそ
おもいそめしか
恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり (壬生忠見)
ひとづてならで
いうよしもがな
今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを (左京大夫道雅)
ひとにしられで
くるよしもがな
名にし負はば 逢坂山の さねかづら (三条右大臣)
ひとにはつげよ
あまのつりぶね
わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと (参議篁)
ひとのいのちの
おしくもあるかな
忘らるる 身をば思はず 誓ひてし (右近)
ひとめもくさも
かれぬとおもえば
山里は 冬ぞ寂しさ まさりける (源宗于朝臣)
ひとをもみをも
うらみざらまし
逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに (中納言朝忠)
ひるはきえつつ
ものをこそおもえ
御垣守 衛士の焚く火の 夜は燃え (大中臣能宣)
ふじのたかねに
ゆきはふりつつ
田子の浦に うち出でてみれば 白妙の (山部赤人)
ふりゆくものは
わがみなりけり
花さそふ 嵐の庭の 雪ならで (入道前太政大臣)
ふるさとさむく
ころもうつなり
み吉野の 山の秋風 小夜ふけて (参議雅経)
まだふみもみず
あまのはしだて
大江山 いく野の道の 遠ければ (小式部内侍)
まつとしきかば
いまかえりこむ
たち別れ いなばの山の 峰に生ふる (中納言行平(在原行平))
まつもむかしの
ともならなくに
誰をかも しる人にせむ 高砂の (藤原興風)
みかさのやまに
いでしつきかも
天の原 ふりさけ見れば 春日なる (阿倍仲麻呂)
みそぎぞなつの
しるしなりける
風そよぐ ならの小川の 夕暮れは (従二位家隆)
みだれそめにし
われならなくに
陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに (河原左大臣)
みだれてけさは
ものをこそおもえ
長からむ 心も知らず 黒髪の (待賢門院堀河)
みのいたずらに
なりぬべきかな
あはれとも いふべき人は 思ほえで (謙徳公)
みをつくしても
あわんとぞおもう
わびぬれば 今はた同じ 難波なる (元良親王)
みをつくしてや
こいわたるべき
難波江の 芦のかりねの ひとよゆゑ (皇嘉門院別当)
むかしはものを
おもわざりけり
逢ひ見ての のちの心に くらぶれば (権中納言敦忠)
むべやまかぜを
あらしというらむ
吹くからに 秋の草木の しをるれば (文屋康秀)
ものやおもふと
ひとのとうまで
しのぶれど 色に出でにけり わが恋は (平兼盛)
もみぢのにしき
かみのまにまに
このたびは 幣も取りあへず 手向山 (菅家(菅原道真))
もれいずるつきの
かげのさやけさ
秋風に たなびく雲の 絶え間より (左京大夫顕輔)
やくやもしほの
みもこがれつつ
来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに (権中納言定家)
やまのおくにも
しかぞなくなる
世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る (皇太后宮大夫俊成)
ゆくへもしらぬ
こいのみちかな
由良の門を 渡る舟人 かぢをたえ (曽禰好忠)
ゆめのかよひじ
ひとめよくらん
住の江の 岸による波 よるさへや (藤原敏行朝臣)
よしののさとに
ふれるしらゆき
朝ぼらけ 有明の月と みるまでに (坂上是則)
よにおうさかの
せきはゆるさじ
夜をこめて 鳥の空音は 謀るとも (清少納言)
よをうぢやまと
ひとはいふなり
わが庵は 都のたつみ しかぞすむ (喜撰法師)
よをおもうゆえに
ものおもうみは
人もをし 人も恨めし あぢきなく (後鳥羽院)
わがころもでに
ゆきはふりつつ
君がため 春の野に出でて 若菜摘む (光孝天皇)
わがころもでは
つゆにぬれつつ
秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ (天智天皇)
わがたつそまに
すみぞめのそで
おほけなく うき世の 民に おほふかな (前大僧正慈円)
わがみひとつの
あきにはあらねど
月みれば ちぢにものこそ 悲しけれ (大江千里)
わがみよにふる
ながめせしまに
花の色は うつりにけりな いたづらに (小野小町)
われてもすえに
あわんとぞおもう
瀬を早み 岩にせかるる 滝川の (崇徳院)
をとめのすがた
しばしとどめむ
天津風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ (僧正遍昭)